日本は地震が多い国なので、これから家を建てるなら耐震性を強化しておきたいものです。柱は縦の力には強いのですが、横からの力には弱い性質があります。柱を太くするほど耐震性が高まることは期待できますが、さらに耐震性を高くするためには横からの力にも耐えられる構造が必要になります。
では、横からの力に耐えるための構造にはどのようなものがあるのでしょうか。
●耐力壁
耐力壁とは、家に横方向からかかる力に耐える壁のことです。家すべての壁が耐力壁なわけではなく、玄関やバルコニーなど一部の壁は非耐力壁ということもあります。
耐力壁の設置場所が多いほど地震に強くなりますが、家全体のバランスが大切です。
南側に縁側を設けている家の場合、窓を多く取り付けているので、北側に比べて南側では壁の面積が少なくなります。これだと、北側に壁が集中してしまい、家全体でのバランスを取りにくくなります。
バランスが取れているかで耐震性が変わってきます。
●床の強化
地震のときには床にも横からの力が加わっています。床が横からの力に弱いと建物にねじれが生じてしまいやすく、家全体が崩れる心配があります。
床の強化に使われるものが、フローリング下に敷く構造用合板です。構造用合板を敷き込むことで、横からの力に強くなります。
気をつけたいのが吹き抜けのある家です。吹き抜けを作ることで2階部分の床がなくなるため、耐震性が低くなります。吹き抜けを作ることで風通しがよくなり、おしゃれになるなどのメリットもあるので、吹き抜けのある家を考えているなら耐震性を強化する工法を取り入れるとよいでしょう。
●基礎を強くする
一般的に行われているのは布基礎です。1階の壁下だけを強化する方法で、建物の周りや柱の下だけに力がかかる傾向があります。
ベタ基礎は建物の下すべてに鉄筋を通したコンクリートで覆う方法です。効率的に地震の力を逃がすことができます。
さまざまな工法があるので、工務店などとよく話し合ってみてください。